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救助しました。捜索救助に必要なときは、艦船及び航空機を派遣して救助に当たらせています。
中国の各種公船も海上の人命救助に責任を負っています。安全監督局が所有している船艇は1,325隻です。
中国の沿岸部では、地方政府が海上の人命の安全を非常に重要視しており、積極的に捜索救助業務に参加しています。中国の航空会社、海運会社、漁船も捜索救助センターの指揮、調整を受け、捜索救助業務に参加しています。
海上における警報の聴取、捜索救助の調整にとって最も重要なのは通信能力です。我が国はすでにある程度の通信能力を持っており、情報能力はGMDSSの3種類とGMDSS以外の2種類があります。
GMDSSシステムでは、我が国は北京にインマルサットのA局とC局を建設しました。中国捜索救助センターには直通の端末機を建設しました。我が国のLUTとMCCはすでに完成しており、間もなく運用を開始します。
沿岸の16の重要な港には、半径25海里をカバーするVHFを使ったDSCを、沿岸地区には、距岸100海里以内をカバーするMFを使ったDSCを、上海、天津、広州には、HFを使ったDSCをそれぞれ建設しました。
中国の漁業通信システムは、沿岸に漁業専用通信網を設置し、各漁船は無線電話局を有しています。これにより沿岸50海里内の遭難通信を送受信することが可能です。
海上における安全情報システムについては、北京に中国航行警報局を設置し、天津、上海、広州に航行警報分局、更にその下部に15の航行警報ステーションがあります。また、大連、上海、広州には、中国沿岸及び西太平洋地区をカバーするNAVTEXを建設し、随時、船舶に対し気象警報、緊急情報を提供することができます。
航空通信については、中国民用航空局は国際航空民間機関の要求により飛行情報区をカバーする通信網を設置し、中国民用航空局と海上捜索救助センターはスムーズな連絡体制がとられています。
中国海上捜索救助センターは、各国、各地域との間で、捜索救助についての連絡と協力を行っています。これには、資料の交換、共同活動、捜索救助の結果報告、職員の相互訪問、合同訓練の実施等が含まれます。
米国との捜索救助協定はすでに締結されており、現在、日本との捜索救助協定を締結するための準備を行っています。中国と各国、各地方の間の捜索救助協力関係は良好な関係が続いています。
中国は更にIMO、ICAO等国際機関の捜索救助に関する協力に積極的に関与しています。我が国は捜索救助機関の配置、捜索救助能力、通信能力については、かなりの水準に達しています。これからは他の国に対して捜索救助の技術協力を行わなければなりません。
次に、中国のVTSシステムの建設及び発展状況について説明します。我が国のVTSシステムの建設及び開発は最終段階をむかえています。しかし、交通部は更なる技術の開発と応用を重視しています。VTSシステムは、迅速な発展と円満な成功を収めています。
中国のVTSシステムは、実験段階、試験段階、建設段階の3つの段階を経て発展してきました。70年代初めの実験段階においては、交通部は青島港、秦皇島港、上海港でレーダー観測及び航行援助実験を実施し、レーダー性能の基本的なデータを得ました。70年代末の試験段階においては、交通部は寧波北侖港虫下岐航路に3つのレーダー局を建設することを決定しました。たった3つのレーダー局でしたが、これが中国VTSシステム建設の幕開けとなりました。

 

 

 

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